不動産売却時の契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いも解説

2022-07-01

不動産売却時の契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いも解説

この記事のハイライト
●契約不適合責任とは、売買契約において売主側が負うべき責任のこと
●瑕疵担保責任よりも売主側の責任が重くなったといえる
●不具合や免責部分については細かく契約書に記載する必要がある

「契約不適合責任」という言葉をご存じでしょうか。
契約不適合責任は不動産売却の際に重要な意味を持つため、これから不動産の売却を検討されている方はぜひ理解を深めておきましょう。
ここでは、契約不適合責任とはどのようなものかについてご説明するとともに、瑕疵担保責任との違いや注意点についても解説します。
京都市や京都市周辺で不動産売却をお考えの方は、参考にしてみてくださいね。

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不動産売却における契約不適合責任と買主の権利とは

不動産売却における契約不適合責任と買主の権利とは

契約不適合責任とは、売却された不動産などに不備や不具合があった場合、売主が買主に対して負うべき責任のことです。
不動産をはじめとする売買契約において、売主には契約内容と合ったものを買主側に引き渡す義務があります。
2020年に民法改正がおこなわれ、これまでの「瑕疵担保責任」という名称から現在の契約不適合責任という名称に変更されました。

契約不適合責任とは

契約不適合責任は、売主が買主に引き渡した売買対象物が、「種類」「品質」「数量」において契約内容と異なっていた場合に発生します。
不動産売却の際に契約不適合責任が問題になるケースとしては、「品質」に関するものが多いといえるでしょう。
具体的には、屋根の雨漏りや給排水管の劣化による水漏れ、シロアリによる木造部分の浸食などです。
また、土壌の汚染や地中の埋没物など、土地に関しても契約不適合責任の対象となります。

買主に認められる権利とは

契約内容と異なる不動産の売買がおこなわれた場合、買主は売主に対し具体的にどのような請求ができるのでしょうか。
契約不適合責任では、買主に次の5つの権利が認められています。
買主の権利1:追完請求
追完請求とは、不具合のない代替品の引き渡しなど、契約内容に合った商品を改めて請求できる権利のことです。
ただし、不動産売却において新しいものを改めて用意するという方法は現実的ではないため、多くの場合は不具合部分を修理する「修補請求」が該当します。
買主の権利2:代金減額請求
代金減額請求とは、原則として追完請求に売主が応じなかった場合に限り、不動産購入代金の減額を請求できる権利のことです。
段階としては、まず期限を決めて追完請求をおこない、期限内に履行の追完が実施されなかった場合に代金減額請求の権利が認められます。
ただし、「土地の面積が契約内容より狭かった」といった内容の場合は補修で対応することがそもそもできないため、買主は追完請求をすることなく代金減額請求をすることが可能です。
買主の権利3:催告解除
催告解除とは、売主が追完請求に応じなかった場合、催告をしたうえで契約解除ができる権利です。
売主が追完請求に応じない際の権利としては代金減額請求もありますが、「代金が減額されただけでは納得できない」「結局は高額な補修費用がかかる」などの理由で、最終的には「購入をやめる」という選択をする買主も多く存在します。
通常の不動産売買とは異なり、催告解除では買主は違約金を支払うことなく購入代金の返還を求めることが可能です。
買主の権利4:無催告解除
無催告解除とは、契約内容に沿った履行の追完が期待できない、もしくは不可能であると考えられる場合に、催告することなく契約解除をできる権利のことです。
この「無催告解除」は瑕疵担保責任における「契約解除」の内容を引き継いだものになります。
買主の権利5:損害賠償
契約不適合があった場合に、損害賠償を請求する権利です。

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不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

不動産売却における契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

2020年の民法改正で瑕疵担保責任の内容がブラッシュアップされ、契約不適合責任が誕生しました。
ここでは、それぞれの制度にはどのような違いがあるのかについて見ていきましょう。

瑕疵担保責任との違い1:要件

もっとも大きな違いとしては、買主が売主に権利を請求できる要件についてです。
それぞれの名称を見てもわかるように、瑕疵担保責任では「隠れたる瑕疵」に対して責任が生じていたのに対し、契約不適合責任では「契約内容と異なる場合」に責任が問われます。
これまで買主が通常の注意を払っていても発見できなかった不具合などを「隠れたる瑕疵」とみなしていましたが、責任を問う根拠として「その瑕疵が隠れていたものかどうか」を証明しにくいケースも多く、しばしばそのあいまいさが問題視されてきました。
契約不適合責任では契約の内容に合っているかどうか、つまりは契約書に明記されている瑕疵かどうかで責任の有無が決まるため、売主、買主の双方にとって明確な根拠が提示されたといえるでしょう。

瑕疵担保責任との違い2:買主の権利

前項では買主に認められる5つの権利についてご紹介しましたが、瑕疵担保責任における買主の権利は「損害賠償」「催告解除」「無催告解除」の3つでした。
契約不適合責任で「追完請求」と「代金減額請求」の権利が追加されたため、売却する側の責任をより強く求める法改正だったといえます。

瑕疵担保責任との違い3:損害賠償請求の範囲

瑕疵担保責任で損害賠償を求められる範囲は「信頼利益」に限られていました。
一方、契約不適合責任では「履行利益」も範囲に含まれています。
信頼利益とは、不動産売買のための登記費用など、契約が有効であると信じたために被った損害のことです。
そして履行利益とは、その契約が有効であった場合に見込まれていた利益を失う損害のことをいいます。
たとえば、営業利益や転売利益などがそれに該当します。

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不動産売却における契約不適合責任の注意点とは

不動産売却における契約不適合責任の注意点とは

契約不適合責任における具体的な注意点について解説します。

注意点1:契約書に記載があるかどうかが重要

契約不適合責任とは、契約書に書かれている内容と実際に引き渡された不動産の状態が異なる場合に問われる責任です。
そのため、売却前に不動産の状態を正しく把握し、契約書にしっかりと記載しておく必要があります。
場合によっては、専門家が住宅の調査をおこなう「インスペクション」についても検討してみましょう。

注意点2:通知期間を設定する

契約不適合責任の条文では、買主の権利が認められる期間は10年、もしくは「不適合を知ったときから1年以内」としています。
これでは長期間にわたって責任を負い続けることになってしまうため、売買契約の際に通知期間を設定しておきましょう。
期間は買主が合意すれば自由に設定することができますが、瑕疵担保責任の頃と同じく「3か月」が主流になっていくと考えられます。

注意点3:免責部分を明確にする

瑕疵担保責任では免責部分に関して、責任を一切負わない「全部免責」という免責方法がありました。
契約不適合責任では全部免責という方法が認められていないため、免責部分を一つずつピックアップして契約書に記載しておく必要があります。
とくに照明や冷暖房といった設備に関しては何かしらの不具合が自然と発生してくるものなので、免責対象にしておくと安心です。
築年数が古い不動産を売却する場合には、全面的に免責とする方法も視野に入れておきましょう。
全部免責の一言で済ませることはできませんが、一つひとつを免責設定していくことは可能です。
また、免責とする場合にも、売却する側が事前に把握している不具合についてはきちんと買主に伝えるようにしてください。

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まとめ

民法改正により、売却する側の責任がより強く問われることとなりました。
契約不適合責任では契約書の内容がとても重要な意味を持つため、慎重に検討しましょう。
京都市や京都市周辺エリアで不動産売却をお考えの方は、契約不適合責任の注意点やポイントについてもハウスドゥ竹田店までお気軽にご相談ください。

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